「資産運用を始めてみよう!」
そう思っても、なかなかスタートを切るのは難しいですよね。
気に入ったところは見つけたけど
「今始めていいの?」
「いつがベストなの?」
と、なる方は多いです。
どのタイミングで始めるのがベストか
何を買うのがベストか
というのは結果論になってしまいますし、プロでも判断は難しいです。
しかし判断基準はあります。
それは経済指標というものです。
ファンドなどの機関投資家や、相場に長年精通しているプロ個人投資家なんかは使っています。
また証券会社や銀行でも、まともなセールスマンなら使っているでしょう。
今回はそんな”経済指標”とは何なのか。
何故使うのかを解説していきます。
例として2つ基本的な指標も紹介するので、是非今後気にしてみてください。
きちんと理解すれば、そこら辺の銀行・証券会社の人間よりも、まともに運用できると思います。笑
経済指標って?
政府や中央銀行や公的機関などが発表している、経済の統計です。
皆さんも聞いたことがあるものでは、有効求人倍率や失業率などが当てはまります。
なぜ経済指標を使うの?
経済指標を見ると、世界や国ごとの経済、業種別などの流れが分かります。
指標によっては、分野ごとに特化しているものもあります。
そして、信頼できる所(国や政府など)からの情報であり、プロの投資家から素人の投資家、一般企業の経営者から部署によっては平社員まで見ています。
(特に有効求人倍率などは、企業の人事から就活生まで見ています。)
皆さんが同じ指標を見ている為、経済や株式市場にとっての”定規・ものさし”になるのです。
“皆が使っているものさし”を資産運用にも使わない手は無いですよね。
代表的な経済指標
発表された経済指標は、数字的には皆さん同じものを見ますが、“どう解釈するか”という部分は十人十色です。
その為、数多くの経済指標を見るよりも、まずは自分が理解できる範囲の分かりやすい経済指標を使っていく事が大切です。
ここからは、証券会社の新入社員が最初に覚えておくような、代表的な経済指標を紹介します。
日本
日本の株式市場で重要なのは
・米国の動向
・日銀が日本株を買い入れてくれるか
ですね。
なんだか他力本願です。笑
そんな中でもやはり重要な経済指標はたくさんあります。
その中でここは押さえておきたいというものを紹介します。
日銀短観
正式名称は「全国企業短期経済観測調査」です。
発表日:
毎年3月、6月、9月、12月に調査をして翌月に発表されます。
6月、12月の下旬に、先行き12カ月間分の公表日を発表します。
調査対象:
製造業を17業種、非製造業を14業種に区分します。
また、資本金を基準として、10億円以上を大企業、1億~10億円未満を中堅企業、2千万円~1億円未満を中小企業と区分しています。
また、金融機関に対しても調査を行っています。
内容:
“判断項目”、”年度の計画(業績など)”、”四半期項目(負債や預金、有価証券など)”の財務書表関連、”新卒者採用状況”の4つを回答してもらいます。
特に大切なのは“判断項目”です。
[判断項目]
業況や在庫の状況、主要製品の受給状態などを「最近の状況」「先行き(3カ月)の状況」の2パターン回答してもらいます。
項目によって言い回しは変わりますが、3段階の回答です
(1.良い2.適正3.悪い など)
「良い」と答えた社数構成比(全体の何%)-「悪い」と答えた社数構成比(全体の何%)
の式で割り出したものを、「DI」という指標で表しています。
株式市場では、特に”大企業・製造業の業況判断DI”が見られています。
・市場予想と比べてどうか
・前回より上か下か
・最近の状況と先行きの状況を合わせて見る
など意識すると良いでしょう。
米国
米国は中央銀行(日本でいう日銀)をFRBと呼びます。
そのFRBの目的は
・物価の安定
・雇用の最大化
の2点になります。
これを達成するために、金利を動かしたり、市場に流す資金を調整したり、いろいろな金融政策をするわけです。
この金融政策は、株式市場を大きく動かす要因にもなります。
その判断の元となる代表的な指標を1つ紹介します。
雇用統計
アメリカで1番大事にされている指標といって良いでしょう。
金融機関に勤めていて、雇用統計を把握していないのは論外といっても良いと思います。笑
発表日:
基本的に第一金曜日です。(祝日等でずれる事はたまにあります。)
内容:
統計は10数項目発表されますが、特に大切なものは“非農業部門雇用者数”と“失業率”、“平均時給”です。
[非農業部門雇用者数]
農業や自営業者を抜いた方々の就業者数を表しています。サラリーマンの数ですね。
[失業率]
失業者÷労働力人口(失業者+就業者)で出ます。
[平均時給]
非農業部門の主要産業の平均時給の増減です。時給なのでわかりやすいと思います。人件費の増加を把握できるため、時給が増加していればインフレだな、景気がいいな、と考える事ができるわけです。
基本的には、雇用者数や時給が増えて、失業率が低ければ良いと思われがちですが、重要なのは”予想の数値より上か下か”です。
この点を意識してみましょう。
使い方
経済指標を覚えたところで、肝心なのは使い方です。
米国の雇用統計なんて毎月出ますから、ここを参考にお話します。
ただ、そんなことは誰でも知っています。
・雇用統計は悪そうだから、念のため出た後に買おう。
・雇用統計が悪いのは、みんなが予想しているだろう。リスクヘッジで出る前に一旦売る人もいるだろうから、そのタイミングで逆に買いに行こう。
・今回のコロナウイルスは雇用に与える影響は大きいだろう。雇用統計の前後は念のため取引をやめておこう。
大きく分けて3パターンになります。
このように経済指標を使って、自分の投資行動を整理する事ができるのです。
まとめ
この他にも、GDPや消費者物価指数など色々な経済指標があります。
複雑で難しいものばかりです。
しかし、このようなものが毎月決まったタイミングで発表される事を
知っているか知らないか
では、大きく違ってきます。
簡単な経済指標であれば、検索ですぐ出てくるものばかりです。
是非参考にして下さい。